シャントのコブが気になる
透析患者さまにとって命綱とも言えるシャント。
長く透析を続けていると、針を刺している部分の血管がポコッと膨らんでくることがあります。
これを、医学用語ではシャント静脈瘤(じょうみゃくりゅう)と言います。
「ぶつけたら破裂するんじゃないか?」
「見た目が気になるから夏でも長袖しか着られない。」
そんな不安を抱えている患者さまは、実は非常に多いです。
このコブ、放っておいていいものなのか?それとも手術が必要なのか?見極めのポイントを解説します。
シャントにコブができる理由
透析で血流が多くなるため
シャントは、動脈と静脈をつないで作る血管です。通常の静脈よりも何倍もの血液が勢いよく流れるため、血管に強い圧力がかかります。
そのため長い年月が経つと、
- 血管が伸びる
- 血管の壁が弱くなる
ことで、血管が部分的にふくらむことがあります。
同じ場所に針を刺すため
透析では毎回シャントに針を刺します。同じ場所に繰り返し刺すと、血管の壁が弱くなったり血管が広がったりするため、コブのように膨らむことがあります。
これを防ぐために、穿刺する場所を少しずつ変える縄ばしご法や、トンネルのように固定された穿刺ルートを作るボタンホール法などの穿刺を行います。
血管の一部が狭くなるため
シャントの血管の一部が狭くなると、その手前に血液がたまりやすくなります。すると血管が風船のようにふくらみ、コブになることがあります。
血管の壁が薄くなる
長期間の透析や穿刺の影響で、血管の壁が薄くなりコブのようになることがあります。これが大きくなると、出血のリスクや皮膚が薄くなるなどの問題が起こりやすくなるため、定期的なチェックが重要です。
こんなコブは赤信号
コブがただ大きいだけなら、すぐに手術が必要なわけではありません。
しかし、以下のサインが出たら破裂や感染の危険があるため早急な処置が必要です。
皮膚がペラペラに薄い
コブの上の皮膚が引き伸ばされて薄くなり血液の色が透けて見えるような状態。
ピカピカ光っている(光沢)
皮膚がパンパンに張ってテカリが出ている時は限界に近いサイン。
急に大きくなった
ここ数週間〜数ヶ月で急激に成長している場合。
痛みや熱がある
コブが赤く腫れて痛む場合は細菌感染を起こしている可能性あり。
特に「痛みや熱がある場合」は注意が必要。細菌感染を起こしており、敗血症につながる緊急事態の可能性があります。
「このコブ、大丈夫かな?」そう思ったら、当院スタッフに相談して下さい。
エコーや触診で、シャントの状態が安全かどうかをしっかり診断します。
