足がむずむずする
透析を受けている患者さんの中には、「足がムズムズして落ち着かない」「足を動かしたくて眠れない」と感じる方がいらっしゃいます。
これは決して珍しい症状ではなく、透析患者さんに比較的よく見られる症状で「むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)」と呼ばれています。
透析患者が「むずむず脚症候群」を発症しやすい理由
透析患者さまにむずむず脚症候群が発症しやすい原因は、一つではありません。いくつかの要因が関係していると考えられています。
鉄不足
透析患者さんでは鉄不足が起こりやすく、これが神経の働きに影響すると考えられています。
腎臓病と鉄不足の関係については、さらに詳しい記事がありますので、あわせてお読み下さい。
神経がダメージを受ける
腎臓病が長く続くと手足の神経が障害されることがあります。これを末梢神経障害 といいます。
末梢神経障害では、
- 足のしびれ
- チクチク感
- 感覚の異常
- ムズムズ感
などが起こることがあります。
特に足の神経は長いため影響を受けやすいと言われています。
ドーパミンの変化
足のムズムズに関係すると考えられているのが、脳の中のドーパミンという物質です。
腎臓病になると鉄不足や神経の変化などが影響して、ドーパミンの働きが乱れることがあります。その結果、むずむず脚症候群 が起こりやすくなると考えられています。
「むずむず脚症候群」の治療方法
当院では、むずむず脚症候群の患者さまに対し以下のような治療を行います。
鉄不足のチェックと治療
お伝えしたように、透析患者さんのむずむず脚症候群は、鉄不足が大きく関係していることがあります。
そのためまず次の検査を行います。
- フェリチン
- TSAT(鉄飽和度)
- ヘモグロビン
検査の結果、鉄が不足していた場合は、鉄剤の内服・透析中の静注鉄などを実施します。
透析条件の見直し
透析そのものが原因になっていないか確認します。
例えば、
- 透析時間が短い
- 老廃物の除去が不十分
- 透析後の電解質バランス
などが、むずむず脚症候群に関係することがあります。
患者さまの病態に合わせて、透析時間の調整・透析効率の改善・透析回数の見直しなどを行います。
神経の働きを整える薬
脚のむずむず感が強い場合には、以下のようなお薬を使うことがあります。
- プラミペキソール
- ロチゴチン
- ガバペンチン
これらは、神経の興奮を抑えたり、ムズムズ感を軽くする作用があります。
むずむず脚症候群についてのよくある質問
Q1. むずむず脚症候群は治りますか?
A1. むずむず脚症候群は、原因や症状の程度によって治療法が異なりますが、適切な治療を行うことで症状をコントロールし、QOL(生活の質)を改善することが可能です。完治を目指せる場合もありますが、症状をうまく付き合っていくことも大切です。
Q2. むずむず脚症候群は何科を受診すれば良いですか?
A2. 神経内科、内科、精神科などで診察を受けることができます。当院では内科的な側面からアプローチが可能ですので、お気軽にご相談ください。
Q3. むずむず脚症候群の症状を悪化させる食べ物はありますか?
A3. カフェイン、アルコールは症状を悪化させる可能性があります。また、鉄分の吸収を阻害する食品(タンニンを多く含むお茶など)も控えた方が良いでしょう。
院長より
過去、私の患者さまの中には、足のむずむずが原因で眠りにつくまでに2時間以上かかる方もいらっしゃいました。
これでは、慢性的な寝不足で日中の生活に支障がでてしまいます。
足のムズムズは我慢するしかない症状ではありません。
「夜眠れない!」「透析中に落ち着かない…。」「足を動かしたくなる。」という方は、すぐにご相談ください。
