熱がなかなか下がらない…そんな時、どうすればいい?
風邪をひいたかな?と思ってから数日経っても、なかなか熱が下がらない。そんな時、ご自身はもちろんのこと、ご高齢のご家族を見守る方は「何か悪い病気ではないか」と大変不安になってしまいますよね。
熱が長引く原因や、ご高齢の方特有の発熱の注意点、そしてクリニックを受診する目安について、できるだけ分かりやすくお話ししたいと思います。
なぜ熱が出るの?(発熱のメカニズム)
そもそも、なぜ人間の体は熱を出すのでしょうか。発熱は「体がウイルスや細菌などの外敵と一生懸命に戦っているサイン」なのです。
体にバイ菌が入ってくると、脳の「体温調節中枢」というところが指令を出して、わざと体温を上げます。体温が高くなると、私たちの体を守る免疫細胞が活発に働きやすくなり、逆にウイルスや細菌は弱まってしまうからです。
つまり、熱はむやみに下げれば良いというものではなく、ご自身の治癒力がしっかりと働いている証拠でもあります。
ご高齢の方の発熱、ここに注意!
しかし、ご高齢の方の発熱には、若い頃とは違う、少し気をつけなければならない特徴があります。近頃の老年医学の研究でも、年齢を重ねると免疫の働きや体温を調節する機能が変化することが分かっています。
熱が出にくくなる(平熱の低下)
若い頃は風邪をひくとすぐに38度以上の熱が出たのに、年をとったらあまり高い熱が出なくなった、という経験はありませんか?ご高齢になると、体の中で強い炎症が起きていても、高い熱が出にくくなることがあります。
「37.2度の微熱だから大丈夫だろう」と油断していると、実は重い肺炎が隠れていた……というケースも少なくありません。普段からご自身の「平熱」を把握しておくことが大切です。実際に、頻尿が主訴で来られた患者さんが、検査してみると炎症反応が非常に高く重症の肺炎であったということもありました。
症状が分かりにくい(非定型症状)
熱や咳といった分かりやすい症状が出ず、「なんとなく元気がない」「食欲がない」「いつもよりボーッとしている」「転びやすくなった」といった、一見すると発熱とは関係なさそうな症状から病気が見つかることがあります。医学的にはこれを「非定型症状(ひていけいしょうじょう)」と呼び、ご高齢の方にとてもよく見られる特徴です。
熱が下がらない時に考えられる原因
数日経っても熱が下がらない場合、大きく分けて次のような原因が考えられます。
| 原因の分類 | 具体的な病気・状態の例 | 特徴 |
| 感染症 | 肺炎、尿路感染症(膀胱炎や腎盂腎炎など)、胆のう炎、結核など | 最も多い原因です。咳や痰、おしっこの時の痛みなどを伴うことが多いですが、ご高齢の場合は症状がはっきりしないこともあります。 |
| お薬による熱(薬剤熱) | 抗菌薬、痛み止め、血圧のお薬など | 新しくお薬を飲み始めた後などに、お薬へのアレルギー反応として熱が出ることがあります。「薬で熱が出るの?」と驚かれるかもしれませんが、実は珍しくありません。 |
| 免疫の異常 | 関節リウマチ、リウマチ性多発筋痛症など | 本来体を守るはずの免疫が、自分の体を攻撃してしまい炎症を起こします。肩や腰、関節の強い痛みやこわばりを伴うことが多いです。 |
| 悪性腫瘍(がん) | 血液のがん(悪性リンパ腫)など | がん細胞が出す物質によって熱が続くことがあります(腫瘍熱と呼ばれます)。 |
クリニックを受診する目安(危険なサイン)
では、どのような時に急いで病院を受診すべきなのでしょうか。「たかが熱」「そのうち下がるだろう」と自己判断せず、ご自身やご家族に以下のような「危険なサイン」がある場合は、お早めにご相談ください。
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38度以上の高熱が3日以上続いている
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熱は高くないが、1週間以上だらだらと長引いている
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息苦しそうにしている、ゼーゼーしている
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水分や食事が全くとれず、おしっこの量が極端に少ない
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意識がもうろうとしている、つじつまの合わないことを言う
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強い胸の痛みや、激しいお腹の痛みがある
ご家庭でできること・気をつけること
クリニックを受診するまでの間や、医師からご自宅で様子を見るように言われた場合は、以下のことに気をつけてお過ごしください。
💧 こまめな水分補給
熱があると、汗や呼吸から気づかないうちにたくさんの水分が奪われ、脱水症状になりやすくなります。一度にたくさん飲むのではなく、お水や麦茶、経口補水液などを「少しずつ、こまめに」飲むようにしましょう。
🌡️ 無理に熱を下げようとしない
寒気がして体がガタガタ震えている時(熱の上がり始め)は、毛布などで温かくしてあげてください。逆に、熱が上がりきって顔が赤く、汗をかいている時は、薄着にして涼しくし、首の周りやわきの下などを保冷剤(タオルで包んだもの)で冷やすと楽になります。
💊 お薬の自己判断はNG
家に残っている解熱剤(熱冷まし)や、以前もらった抗生物質を自己判断で飲むのは危険です。熱の原因が分からないままお薬を飲むと、本当の病気を見逃してしまったり、副作用が出たりすることがあります。必ず医師にご相談ください。
さいごに
熱が長引くと体力が奪われ、ご不安な日々を過ごされることと思います。特にご高齢の方の場合は、重症化する前に早めに対処することが何よりも大切です。
うぐいす内科クリニックでは、患者さんのお話をしっかりと伺い、必要に応じて血液検査やレントゲン、超音波検査なども行いながら、熱の本当の原因を見つけ出すお手伝いをさせていただきます。
「これくらいで病院に行ってもいいのかな?」と迷われた時でも、どうぞお気軽に私たちにご相談ください。地域の皆さまの健康と安心を、スタッフ一同、全力でサポートいたします。
