貧血がつらい
貧血がつらい
なんとなく「疲れが取れない。」「階段で息切れがする…。」といった症状はありませんか?
それは、もしかすると貧血のサインかもしれません。
貧血になると、体の中で酸素を運ぶ力が弱くなり、全身が酸欠のような状態になります。そのため、疲れやすさ・息切れ・動悸・めまいなど、日常生活に影響するさまざまな症状があらわれます。
特に腎臓病や透析を受けている患者さまは貧血が起こりやすく、放っておくと体の負担が大きくなってしまいます。
今回は、無理なく効率的に鉄分補給するコツや、「腎臓病の貧血」と「普通の貧血」の違いなどを医学的知見を交えてお話しします。
貧血の原因
貧血の原因は多岐にわたりますが、大きく分けて以下の3つに分類できます。
- 鉄欠乏性貧血:最も一般的な原因で、鉄分の不足によりヘモグロビンが十分に作られなくなる状態。
- 再生不良性貧血:骨髄の機能が低下し、赤血球・白血球・血小板が十分に作られなくなる状態。
- 溶血性貧血:赤血球が破壊される速度が、生成される速度を上回ることで起こる。
これらの原因の他にも、腎臓病が貧血を引き起こすことがあります。
「腎臓病の貧血」と「普通の貧血」の違い
では、一般的な貧血と腎臓病による貧血は何が違うのでしょうか?
一般的な貧血の多くは「鉄欠乏性貧血」と呼ばれ、鉄不足が原因で起こります。
対して、腎臓病患者さまに起こる貧血は「腎性貧血(じんせいひんけつ)」とよばれ、貧血の仕組みが少し異なります。
実は、腎臓には体の中で赤血球をつくる指令を出す働きがあります。
腎臓はエリスロポエチン(EPO) というホルモンを分泌し、骨髄に「赤血球を作ってください!」という指令を出しています。ところが、腎臓の働きが弱くなると、このホルモンが十分に作れなくなります。その結果、赤血球が作られにくくなり貧血が起こるのです。
腎性貧血の治療方法
腎性貧血は鉄剤を補うことも大切ですが、それだけでは不十分な場合もあります。
腎性貧血は、
- 赤血球を作る指令が弱くなる
- 慢性的な炎症の影響
- 透析による鉄の消耗
など、いくつかの要因が重なっています。
そのため腎性貧血の治療は、鉄の補充はもちろんのこと、赤血球を作る薬(ESA製剤など)や体の状態に合わせた透析管理などを組み合わせながら行います。
普段の食事で鉄分を摂取しよう
鉄分には2つの顔がある
- ヘム鉄(動物性)
特徴:体への吸収率がとても高い(10〜20%)。
多く含む食品::赤身肉・レバー・カツオ・マグロなどの赤身魚
イメージ: VIPパスを持っていて体の中にすんなり入ってくれる鉄分
院長の家では鉄のフライパンや鍋で料理をしています。鉄鍋や鉄のフライパンを使用すると、吸収のよい「ヘム鉄」を摂取できます。普段の調理器具を鉄製に変えるのもおすすめですよ
- 非ヘム鉄(植物性)
特徴:そのままだと吸収されにくい。日本人が食事からとる鉄分の多くは非ヘム鉄と言われている。
多く含む食品:小松菜・ほうれん草・納豆・豆腐・卵
イメージ: 恥ずかしがり屋で体に入るのには「パートナー」が必要
非ヘム鉄の吸収を助けるパートナーは?
恥ずかしがり屋で体に入るのにパートナーが必要なヘム鉄。そのベストパートナーは、ビタミンCや酸です。
- ほうれん草のお浸しにレモンや柚子を絞る
- 納豆にネギ(ビタミンC)をたっぷり入れる
- ひじきの煮物にお酢(酸)を少し加える
これだけで、非ヘム鉄の吸収率がグンと上がります。ぜひこの合わせ技を試してみてください。
貯金ならぬ「貯鉄」も大事
鉄分は体の中に貯蔵できる栄養素ですが、貯まるまでには時間がかかります。
毎日の食事でコツコツとることが大切ですが、ふらつきや動悸が続くようであれば、無理に食事だけで治そうとせずいつでも相談してください。
貧血の原因を探り、最適な方法で治療を行うことで症状の緩和につながります。
まずは血液検査で、体の中の「鉄の貯金箱(フェリチン)」の状態を確認しましょう。
