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糖尿病性腎臓病と言われたら? ~早期発見、早期治療が大事~

健康診断や日々の診察で、「糖尿病性腎臓病の疑いがありますね」と言われ、ハッとして不安になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。「糖尿病だけでも大変なのに、腎臓まで悪くなってしまったの?」と、落ち込んでしまうお気持ち、よくわかります。

この病気は、「早く見つけて、正しく対処すれば、進行を食い止めることができる病気」です。腎臓専門医の視点から、この「糖尿病性腎臓病」について、できるだけ優しく、わかりやすく解説していきます。

「糖尿病性腎臓病」って、どんな病気?

私たちの「腎臓」は、腰のあたりに2つある、そら豆のような形をした臓器です。その最大の役割は、血液の中の老廃物(ゴミ)をろ過してきれいな血液にし、ゴミはおしっこ(尿)として体の外に捨てること。つまり、体の中の「超高性能なフィルター」です。

このフィルターは、髪の毛よりも細い「毛細血管」の集まりでできています。

糖尿病になって血糖値が高い(血液の中に糖分が多い)状態が何年も続くと、血液がドロドロになり、この細い血管のフィルターが傷ついて目詰まりを起こしたり、破れたりしてしまいます。

その結果、腎臓の働きが少しずつ落ちてしまう状態を「糖尿病性腎臓病(DKD)」と呼んでいます。以前は「糖尿病性腎症」と呼ばれていましたが、最近では加齢や高血圧などの影響も合わさって腎臓が悪くなることがわかってきたため、より広い意味で「糖尿病性腎臓病」と呼ばれるようになりました。

自覚症状がないのが、一番の落とし穴

この病気で一番気をつけなければならないのは、初期のうちは、痛みもだるさも全くない(無症状)ということです。

「どこも痛くないから」「おしっこも普通に出ているから」と油断して治療をせずにいると、水面下で静かに病気が進んでしまいます。そして、病気がかなり進行してから、初めて次のような症状が現れます。

  • 足のすねや顔が、パンパンにむくむ

  • 疲れやすくなる、体がだるい

  • 貧血になる、息切れがする

これらの症状が出た時には、腎臓のフィルターがかなり壊れてしまっているサインです。最悪の場合、機械で血液をきれいにする「人工透析」が必要になることもあります。だからこそ、「症状がないうちに見つけて治療を始めること」が何よりも大切なのです。

どうやって腎臓のSOSを見つけるの?

当クリニックでは、腎臓が発する「音のないSOS」をいち早くキャッチするために、次のような負担の少ない検査を行っています。

検査の種類 何を調べているの? 結果からわかること

尿検査

(微量アルブミン)

おしっこの中のごく微量な「たんぱく質」

フィルターが傷つき始めると、体に必要な「たんぱく(アルブミン)」がおしっこに漏れ出ます。これが一番最初のSOSです。

血液検査

(クレアチニン)

血液中の老廃物(ゴミ)の量

腎臓の働きが落ちると、血液にゴミが溜まります。ここから、腎臓の働きを100点満点で表す「eGFR(推算糸球体ろ過量)」という点数を計算します。

「尿に少しだけたんぱくが混じっていますね」と言われた時が、治療を頑張る最大のチャンスです!

腎臓を守るため、今日からできる4つのこと

「もう治らないの?」と心配になるかもしれませんが、現代の医療は大きく進歩しています。以下の4つの柱で、腎臓をしっかり守っていきましょう。

① 「血糖値」と「血圧」のダブルコントロール

糖尿病性腎臓病の治療の基本は、やはり血糖値を良くすることです。HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)という数値を目標内に収めましょう。さらに、腎臓の血管を守るためには「血圧」を下げることも同じくらい重要です。ご自宅でも毎日血圧を測る習慣をつけましょう。

② 最新の「お薬」の力を借りる

ここ数年で、医療は劇的に進歩しました。今は、ただ血糖値を下げるだけでなく、「腎臓そのものを直接保護してくれる素晴らしいお薬(SGLT2阻害薬など)」がたくさん登場しています。

「薬が増えるのは嫌だな」と思われるかもしれませんが、これらはあなたの腎臓を長持ちさせるための強力なボディーガードです。自己判断で飲むのをやめず、しっかり続けましょう。

③ 腎臓に優しい「お食事」

腎臓の負担を減らすため、まずは減塩が第一です。1日6g未満が目標です。

お漬物や汁物を控えめにする、お醤油は「かける」のではなく「少しつける」など、小さな工夫が腎臓を助けます。病気の進行度によっては「たんぱく質」の制限が必要な場合もありますが、高齢の方の場合は栄養不足にならないようバランスが重要ですので、自己流ではなく必ず医師や管理栄養士にご相談ください。

④ 禁煙と適度な運動

タバコは血管をギュッと縮ませて、腎臓の首を絞めるようなものです。禁煙は腎臓を守るためのお約束です。また、無理のない範囲でのウォーキングなどは、血流を良くし、血糖値や血圧を下げる助けになります。

さいごに:私たちは、あなたと一緒に歩みます

「糖尿病性腎臓病」という長い名前を聞くと怖くなってしまうかもしれませんが、決して一人で悩む必要はありません。

今回、症状がないうちに「疑いがある」とわかったのは、むしろ「とてもラッキーなこと」です。なぜなら、今からケアを始めれば、一生ご自身の腎臓で元気に過ごせる可能性がとても高いからです。

「甘いものがやめられない」「運動はひざが痛くて…」「お薬の量が多くて不安」など、どんな小さなことでも構いません。私たち、うぐいす内科クリニックのスタッフに何でもお話しください。

あなたの腎臓が、これからもずっと元気に働いてくれるように。

今日から私たちと二人三脚で、腎臓をいたわる生活をスタートさせましょう!

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