尿路結石が心配な方へ ~あの激痛を防ぐ!予防法と食事のコツ~
診察室で、「腰が痛くてたまりません。」「昔、石ができたことがあって、また再発するんじゃないかと不安です」というお声をよく耳にします。
「七転八倒の苦しみ」「救急車を呼ぶほどの痛み」などと表現される尿路結石。できれば一生無縁でいたい病気の一つですよね。でも、過剰に怖がる必要はありません。なぜ石ができるのかを知り、日々のちょっとした生活習慣を見直すことで、しっかり予防できる病気なのです。
今回は、「尿路結石」の正体と、今日からできる優しい予防法についてお話しします。
「尿路結石」って、どこにどんな石ができるの?
私たちが口から飲んだ水分は、腰のあたりにある腎臓でろ過され、おしっこ(尿)になります。そして、腎臓から「尿管」という細い管を通って膀胱(ぼうこう)に溜まり、尿道を通って体の外へ出ます。このおしっこの通り道全体を「尿路」と呼びます。
この尿路のどこかに、おしっこの中の成分が固まって「石」になってしまうのが尿路結石です。
石がある場所によって名前が変わり、腎臓にあれば「腎結石」、尿管に落ちてくれば「尿管結石」と呼ばれます。
おしっこの成分が濃くなると、水に溶けきれなくなった成分が結晶化して、少しずつ固まって石になります。ちょうど、濃い塩水を放っておくと、底に塩の結晶ができるのと同じ仕組みです。
どんな症状が出るの? 高齢の方の注意点
尿路結石の代表的な症状は、なんといっても「突然の激しい腰や背中、脇腹の痛み」です。石が細い尿管に詰まって、おしっこの流れがせき止められ、尿管がパンパンに腫れ上がることで激痛が走ります。また、石が粘膜を傷つけることで「血尿(おしっこに血が混じる)」が出ることも多いです。
しかし、ここで一つ大切な注意点があります。
ご高齢の方の場合、痛みを感じる神経が少し穏やかになっているため、「激痛ではなく、なんとなく腰が重い」「お腹がスッキリしない」「食欲がない」といった軽い症状しか出ないことがあります。痛みが少ないからといって放置してしまうと、気づかないうちに腎臓の働きが悪くなってしまう(腎後性腎不全)危険性もあるため、「いつもと違う腰やお腹の違和感」には注意が必要です。
なぜ石ができるの? 最大の原因は「シュウ酸」
石の成分で最も多いのは、「シュウ酸カルシウム」というものです。
「シュウ酸」という成分は、実は私たちが普段よく口にする健康的な野菜や飲み物にたくさん含まれています。例えば、ほうれん草、タケノコ、サツマイモ、そしてお茶、コーヒー、紅茶などです。
「じゃあ、これらの食べ物を食べてはいけないの?」と心配になりますよね。決してそうではありません。大切なのは「食べ方」の工夫です。
最新医学が教える! 尿路結石を防ぐ3つのルール
一昔前は「結石を防ぐにはカルシウムを控えるように」と言われていた時代がありました。しかし、現在の医療では、それは「間違い」であることがわかっています。
では、どうすれば石を防げるのでしょうか? 3つの大切なルールをご紹介します。
① 【超重要】カルシウムは「制限」ではなく「しっかり摂る」!
これが最大のポイントです。シュウ酸は、腸の中で「カルシウム」と出会うと、そこでくっついて便として体の外へ出ていってくれます。
しかし、カルシウムが足りないと、シュウ酸は腸から血液に吸収されて腎臓へ向かい、そこでおしっこの中のカルシウムとくっついて「石」になってしまうのです。
つまり、お腹の中でシュウ酸とカルシウムをくっつけて、便として捨てるのが最新の予防法です。
| 気をつけたい食べ物(シュウ酸が多い) | 魔法の食べ合わせ(カルシウムと一緒に!) |
| ほうれん草 | お浸しに「ちりめんじゃこ」や「かつお節」をかける |
| コーヒー・紅茶 | ブラックやストレートではなく、「ミルク」を入れる |
| チョコレート | 一緒に「牛乳」を飲む |
このように、シュウ酸が多いものを食べる時は、カルシウムを含む食品を一緒に摂るだけで、結石のリスクを大きく下げることができます。
② お水が一番の「特効薬」
おしっこが濃くなると石ができやすくなります。川の水が少ないとゴミが溜まりやすく、水がたっぷり流れていればゴミが押し流されるのと同じです。
1日にお食事以外で「約1.5~2リットルの水分」をこまめに摂ることを心がけましょう。おすすめは、シュウ酸を含まない「水」や「麦茶」、「ほうじ茶」です。
③ 夕食から寝るまでは「時間を空ける」
寝ている間は水分をとらないため、おしっこが一番濃くなり、石ができやすい時間帯です。
夕食を食べてすぐに寝てしまうと、食事で摂った成分がおしっこにたくさん出てきてしまい、石ができやすくなります。夕食は、できれば寝る3〜4時間前には済ませるようにしましょう。
不安なときは、痛くない検査で確認できます
当クリニックでは、「石がないか心配」「なんとなく腰が重い」という方に対して、お体への負担が全くない「超音波(エコー)検査」を行っています。ゼリーを塗って機械を当てるだけで、腎臓の様子や石の有無、おしっこが詰まって腫れていないかなどをその場ですぐに確認できます。
また、「尿検査」で目に見えない血尿が出ていないかを調べることも、とても重要です。
さいごに
「尿路結石」は、確かに痛くてつらい病気ですが、原因を知り、普段の食事やお水の飲み方を少し工夫するだけで、しっかり予防することができます。「ほうれん草にはじゃこ」「コーヒーにはミルク」、これなら今日からすぐに始められそうですよね。
「お水って、どのくらい飲めばいいのかしら?」「最近、ちょっと腰に違和感があるんだけど…」
そんなご不安があれば、決して一人で悩まずに、私たちうぐいす内科クリニックにご相談ください。
「痛くなったらどうしよう」という不安を減らし、皆さんが毎日を安心して笑顔で過ごせるよう、私たちがしっかりサポートいたします!
