胸がドキドキする…これって病気?動悸の原因と受診の目安
ふと気づいたときに「胸がドキドキする」「脈が飛ぶような感じがする」「胸の奥でドクンと大きな音がしたように感じる」……そんなご経験はありませんか?
このような症状を、医学用語で動悸(どうき)と呼びます。
心臓は、私たちが意識しなくても1日に約10万回も休むことなく働き続けています。普段はその働きを感じることはありませんが、何らかの理由で心臓の動きを不快に感じてしまうのが動悸です。特に年齢を重ねてくると、「もしかして心臓の病気かしら?」と不安に思われる方も多いのではないでしょうか。
今回は、この「動悸」について、なぜ起こるのか、どんな時に急いで病院に行くべきかなど、分かりやすくお話しいたします。
動悸が起こる3つの大きな原因
動悸と一口に言っても、その原因は様々です。大きく分けると、以下の3つに分類されます。
1. 心臓そのものに原因がある場合
最も注意が必要なのが、心臓の病気によるものです。
-
不整脈: 脈のリズムが乱れる病気です。脈が速くなったり、遅くなったり、飛んだりします。特にご高齢の方に多い「心房細動(しんぼうさいどう)」という不整脈は、放置すると脳梗塞の原因になることもあるため、早期の発見が大切です。
-
心不全: 心臓のポンプ機能が弱り、全身に十分な血液を送り出せなくなる状態です。少し動いただけでドキドキしたり、息切れがしたりします。
-
狭心症: 心臓の血管が狭くなり、心臓の筋肉に十分な酸素がいかなくなる病気です。
2. 心臓以外の体の病気が原因の場合
心臓自体は元気でも、他の体の不調を補うために心臓が無理をしてドキドキすることがあります。
-
貧血: 血液中の酸素を運ぶ成分が減ってしまうため、心臓が回数を増やして全身に酸素を届けようと頑張りすぎてしまいます。
-
甲状腺の病気: 喉仏の下にある甲状腺からホルモンが出過ぎる(バセドウ病など)と、新陳代謝が活発になりすぎて常に走っているような状態になり、脈が速くなります。
-
脱水・発熱: 水分不足やお熱がある時も、脈は速くなります。
3. 精神的なもの・生活習慣が原因の場合
検査をしても体に異常が見つからない場合、毎日の生活の中に原因が隠れていることがあります。
-
ストレスや不安: 緊張したり、強い不安を感じたりすると、自律神経(交感神経)が刺激されて脈が速くなります。
-
嗜好品: コーヒーやお茶に含まれるカフェインの摂りすぎ、アルコールの飲みすぎ、おタバコなども動悸を引き起こします。
-
睡眠不足・お薬の影響: 疲れが溜まっていたり、市販の風邪薬などの成分が影響したりすることもあります。
【動悸の主な原因まとめ表】
| 原因の分類 | 具体的な病気・状態の例 | 動悸以外のよくある症状 |
| 心臓が原因 | 不整脈、心不全、狭心症 | 息切れ、胸の痛み、足のむくみ |
| 心臓以外が原因 | 貧血、甲状腺の病気、脱水 | めまい、立ちくらみ、手の震え、急な体重減少 |
| 生活習慣・心因性 | ストレス、睡眠不足、カフェイン | 緊張、不安感、不眠 |
要注意!すぐに受診してほしい「危険なサイン」
動悸の中には、少し様子を見てよいものと、すぐに治療が必要なものがあります。もし、動悸と一緒に以下の症状が一つでも当てはまる場合は、我慢せずに早めに医療機関を受診してください。
-
胸が締め付けられるように痛む、重苦しい
-
息が苦しくて、横になっていられない(座ると少し楽になる)
-
目の前が真っ暗になる、気を失いそうになる、めまいがする
-
冷や汗が出る、吐き気がする
-
突然始まり、突然終わる激しい動悸
これらの症状は、心臓がSOSを出している重要なサインの可能性があります。
うぐいす内科クリニックでの検査と診察
「動悸がするけれど、どうしたらいいか分からない」という時は、ぜひ当クリニックにご相談ください。痛みを伴うような怖い検査から始めることはありませんので、ご安心くださいね。
まずは、どのような時にドキドキするのか、どのくらい続くのかなど、お話をじっくり伺います。その上で、以下のような検査を必要に応じて行います。
-
心電図検査: 心臓の電気信号を記録し、不整脈などがないかを調べます。ベッドにごろんと横になっていただくだけの、数分で終わる検査です。
-
血液検査: 貧血や甲状腺の異常など、心臓以外の原因がないかを調べます。
-
胸部レントゲン検査: 心臓の大きさや、肺にお水が溜まっていないかを確認します。
-
ホルター心電図(24時間心電図): 診察室にいる時だけ症状が出るとは限りません。小さな機械を胸にペタッと貼り、お家での普段の生活の中で24時間の心電図を記録する検査です。お風呂には入れないなどの制限はありますが、隠れた不整脈を見つけるのに非常に役立ちます。
日常生活でできる予防と対策
病気ではない動悸を防ぐために、毎日の生活の中で少しだけ気を付けていただきたいことがあります。
-
十分な睡眠と休養: お疲れは心臓にとっても大敵です。無理をせず、ゆったりと過ごす時間を持ちましょう。
-
こまめな水分補給: ご高齢になると喉の渇きを感じにくくなります。脱水予防のために、お茶やお水をこまめに飲みましょう。
-
嗜好品の見直し: コーヒー、緑茶、お酒は適量を心がけましょう。
-
リラックス: 深呼吸をしたり、好きな音楽を聴いたりして、心と体の緊張をほぐしましょう。
さいごに
「年だから仕方ない」「気のせいだろう」と、動悸を一人で抱え込んではいませんか?
動悸は、体があなたに送ってくれている大切なメッセージかもしれません。大きな病気が隠れていないかを確認し、もし何もなければ「心配ないですよ」とお伝えするのも、私たち医師の重要な役割です。
不安な気持ちのまま過ごすのは、心にも体にも良くありません。どんな些細なことでも構いませんので、どうぞお気軽にうぐいす内科クリニックへご相談にいらしてくださいね。私たちがしっかりとサポートさせていただきます。
