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カリウムが高いと言われたら?〜野菜や果物を食べるために〜

皆さん、こんにちは。定期的な血液検査のあとに、「〇〇さん、今回は少しカリウムが高いですね。お食事に気をつけてくださいね」と先生やスタッフから言われて、ドキッとされた経験はありませんか?

「野菜や果物を食べ過ぎたのかな…」「もう大好きなサラダは食べないほうがいいのかな…」と、すっかり落ち込んでしまう患者さんも少なくありません。

今回は、透析患者さんにとって非常に大切な「カリウム」のお話と、「カリウムを抑えつつ、大切なお野菜をしっかり食べる工夫」について、現代の医療の知識を交えながら分かりやすくお話しします。

なぜ透析をしていると、カリウムが高くなるの?

そもそも「カリウム」とは、私たちの体にとって欠かせないミネラル(栄養素)の一つです。神経の働きを正常に保ったり、筋肉をスムーズに動かしたりする大切な役割を持っています。

健康な腎臓であれば、食事からカリウムを摂りすぎても、余分なぶんは「おしっこ」と一緒に体の外へ捨ててくれます。しかし、腎臓の働きが落ちて透析を受けていると、このカリウムをおしっこから出すことが難しくなり、体の中にどんどん溜まってしまいます。

透析の機械でもカリウムを取り除くことはできますが、次の透析の日までにまた体の中に溜まってしまうため、毎日の食事で調整する必要があるのです。

カリウムが高くなると、どうして危険なの?

体の中にカリウムが溜まりすぎた状態を「高カリウム血症」と呼びます。

これが怖いのは、最初は「手足がしびれる」「口の周りがピリピリする」「なんだか体がだるい」といった症状から始まりますが、数値が高くなりすぎると、心臓の筋肉に悪影響を及ぼしてしまうからです。危険な不整脈(心臓の脈の乱れ)を引き起こし、最悪の場合は突然心臓が止まってしまうこともあります。

だからこそ、私たち医療スタッフは、皆さんの命を守るために毎回の採血でカリウムの数値をしっかりとチェックしているのです。

でも、実は「野菜を食べることも大事」なんです!

「そんなに怖いなら、カリウムがたくさん入っている野菜は、もう一切食べないようにしよう!」……そう思ってしまった方、ちょっと待ってください。

実は、最新の医療や栄養学の考え方では、「極端に野菜を避けることは、かえって体に良くない」とされています。なぜなら、野菜を食べることは、皆さんの健康にとって非常に大事な役割があるからです。

栄養失調や体力低下(フレイル)を防ぐため

野菜にはカリウム以外にも、体を元気にする「ビタミン」や、腸の調子を整える「食物繊維」がたっぷり含まれています。カリウムを怖がるあまり食事の量全体が減ってしまうと、体力や筋肉が落ちて寝たきりに近づいてしまう「フレイル」という状態になりやすく、かえって寿命を縮めてしまう危険性があります。

「便秘」を防ぐことが、カリウムを下げることにつながる

これが最もお伝えしたい最新の知識です。実は、カリウムはおしっこからだけでなく、「便」からも体の外へ排泄されています。

野菜を食べずに食物繊維が不足して便秘になると、便からカリウムを外に出すことができず、結果的に血液中のカリウムがどんどん高くなってしまうという悪循環に陥ることが分かっています。つまり、便通を良くするためにも、適度な野菜を食べることはとても重要なのです。

カリウムの吸収を抑え、ビタミンはしっかり摂る工夫

では、どうすればカリウムを上げすぎずに、大切なお野菜を食べることができるのでしょうか?

現在は、強力にカリウムを下げる薬(ジクロニウムシクロケイ酸ナトリウム)が存在します。カリウム吸着剤を内服しカリウムの吸収を抑え、ビタミンだけはしっかり吸収することが出来ます。また、十分な透析量を確保することで体外にカリウムを排泄し、野菜や果物を食べられる様にすることもできます。

便秘の改善をすることでも効率的にカリウムを排泄し、高カリウム血症を予防することも可能です。

選び方でも差がつきます

カリウムが比較的少ない野菜を選んで食べることも大切です。

  • カリウムが少なめでおすすめの野菜:

    もやし、キャベツ、玉ねぎ、大根、白菜など。

  • カリウムが多く、少し注意が必要な野菜・果物:

    トマト、ほうれん草、かぼちゃ、バナナ、メロンなど。また、いも類(さつまいも、じゃがいも)も多いので、食べる量には気をつけましょう。

おわりに…:一人で悩まず、いつでもご相談を

採血のデータは、決して皆さんを怒るためのものではありません。皆さんがいつまでも元気に、笑顔で長生きするための「大切な道しるべ」です。

「これを食べたらダメだ」とストレスを抱え込むよりも、「どうすれば美味しく、安全に食べられるか」を一緒に考えていきましょう。

毎日の食事のことで迷ったときや、採血結果で分からないことがあったときは、決して一人で悩まず、うぐいす内科クリニックの医師や看護師にいつでもお気軽にご相談くださいね。

美味しく食べて、便通も整えながら、元気に透析治療を乗り切っていきましょう!

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